厚生労働省は25日、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が年金積立金を「インパクト投資」に充てられるようにする方針を示した。同投資は環境や社会への好影響と投資リターンの両立をめざす手法だ。被保険者の利益のためという原則は維持する。
厚労省は2025年度から始まる次期中期計画策定に向けてGPIFの運用方針を検討している。3月末までに具体的な中身を固めて必要な政令改正などを実施する。
インパクト投資は環境保護や貧困の救済など社会的課題の解決や持続可能な社会の実現に貢献する事業活動に投資する。同時に一定の財務的リターンも追求する。
一方、年金積立金の運用は「専ら被保険者の利益のために」との原則があり、他の政策目的や施策実現のために年金積立金を運用することはできない仕組みになっている。
これに抵触するとしてインパクト投資はこれまで認められていなかったが、公的年金に同投資を解禁する6月の政府方針を受け検討が進められてきた。
厚労省はすでに認められている企業のESG(環境・社会・企業統治)の取り組みを評価する投資手法を参考に、インパクト投資に関する対応をまとめる。
加えて厚労省は国内の不動産投資などについて、一般的に使われる匿名組合を通じた投資を可能とする方針を示した。幅広い投資手法を採用して運用収益の向上につなげる。
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