2024年に入り14件の運行トラブルが発生している熊本市電、経営状況の改善に向けた取り組みにも暗い影を落としている。熊本市の大西市長は2025年4月からとしていた、市電の『上下分離方式』の導入について、「安全管理の再構築を図る必要があり、1年近くは延期せざる得ない」と述べ、延期を発表した。
「公共交通の使命である安全を確保」
11月22日の会見で、大西一史熊本市長は「来年4月に予定していた上下分離の導入を、延期せざるを得ない。公共交通の使命である安全を確保するために、やむを得ない」と述べ、上下分離方式導入の延期を発表した。
この記事の画像(4枚)熊本市交通局は、2025年4月から市が出資した公社が『上』の部分で運行業務などを担い、熊本市が『下』の部分で車両購入などを行う、上下分離方式を導入する計画を示していた。
しかし、国の認定を得るための申請に向けた協議をする中で、相次いで熊本市電の運行トラブルが発生。大西熊本市長は、まずは安全管理の再構築を図る必要があると判断した。
「乗務員の処遇改善は先行して進めたい」
大西熊本市長は「1年近くは上下分離は延期せざるを得ないと見込んでいる。外部検証委員会の最終報告もこれからですし、九州運輸局の改善命令への対応も途中ですので、こういうものを確実にしてそういったものも踏まえて、(国の認定に必要な)高度化計画をさらに良くしていく」と述べた。
一方、大西市長は現在、非正規雇用としている乗務員を上下分離後に正規職員化し処遇を改善する、としていたことについては「上下分離に先行して進めたい」と述べた。
(テレビ熊本)
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