FRBのバー副議長はバイデン政権が指名した(ワシントン)=ロイター

【ニューヨーク=斉藤雄太】米連邦準備理事会(FRB)のバー金融監督担当副議長は20日、米議会下院の金融サービス委員会の公聴会に出席し「任期をまっとうするつもりだ」と述べた。2025年1月のトランプ次期政権の発足後も、26年7月の任期満了まで副議長職を続ける考えを示した。

民主党のウォーターズ下院議員の質問に答えた。「もしトランプ氏や(次期政権で影響力を発揮しそうな起業家の)イーロン・マスク氏から解雇を告げられたら出ていくのか」という問いに対し、バー氏は「パウエル議長が話したように我々は決められた任期を務めることになっている」と返答した。

FRBのパウエル議長は7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、仮にトランプ氏から辞任を求められても拒否する考えを示した。大統領による解任や降格は「法律上、認められていない」と述べた。

トランプ氏は前政権時代にFRBにたびたび金融緩和を迫り、パウエル氏の議長解任をちらつかせる場面もあった。トランプ氏の大統領への復帰後、中央銀行の独立性をめぐる議論が再び熱を帯びる可能性がある。

バー氏はバイデン政権が金融監督担当の副議長に指名し、22年7月に米議会上院が賛成多数で承認した。23年3月以降に米地銀の連続破綻が起きた際に監督責任を問われたほか、FRBなどが提案した米銀大手の自己資本規制の強化案が厳しすぎる内容だとして銀行界や共和党内で批判が出ている。

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