今年4月にトラック運転手の労働時間の基準が改正され、長距離輸送が困難になった、いわゆる物流の2024年問題。この問題に対応するため、新潟市の市場を中継拠点として活用し、北海道や東北産の花を関東や関西へ輸送する実証実験が行われた。
■“物流の2024年問題”解消へ 北海道東北の花が新潟に
10月17日、新潟市中央卸売市場の花き棟。木曜は花の競りは行われていないが、建物の中には多くの花が残されていた。
こうした花は県外からトラックで運び込まれた花々。別のトラックへと積み替え作業が行われていた。
今年4月に運転手の労働時間の基準が改正されたことにより、長距離の輸送が困難になる、いわゆる物流の2024年問題。
この問題に対応するための実証実験が新潟市中央卸売市場で行われていたのだ。
新潟市中央卸売市場の花き部を請け負う新花の玉木社長は「各地の花をいったんこちらのほうに全部集め、関東方面の市場さんに向けたトラックあとは関西方面の市場さんに向けたトラックで荷物をまとめて効率化を図るということをやってみようという、物流の実証実験」と説明する。
■“直接輸送”から“新潟を経由しての輸送”に
これまで、東北の産地から関東や関西の市場には、それぞれトラックで直接輸送していた。
しかし、少ない輸送量でも関東方面と関西方面のトラック少なくとも2台必要となるほか、時間外労働の上限の規制などにより、一日で関西の市場へ到着することができず、さらにドライバーは一日の勤務終了後9時間以上の休息が必要に。
そこで、新潟市中央卸売市場を中継拠点として各産地から花を集め、関東や関西など行き先に分けて積み替えて輸送することで、これまで関東方面と関西方面に出さざるを得なかったトラックが新潟に向かうトラックだけになり、効率化を図ることができるほか、運転手の労働環境の改善にもつながる。
玉木社長は「大きなトラックに100ケースしか積んでいなかったりとかそのまま大阪の方に走っていったりだとかそういう非効率をなくそうということ」と話す。
■2時間以上かかった積み替え作業 課題を分析し実用化へ
この日は北海道、秋田、福島、長野から運ばれた花が、関東の市場と関西の市場に向かうトラックに積み替えられていた。
一方、花の積み替え作業はすべて手作業で行われていて、新花は運転手の負担軽減のために、今後フォークリフトを使ったパレット輸送などの導入を検討しているという。
「花の市場全体としてもホワイト物流の宣言をしてますので、新潟としてもれ輸送の効率化と運転手さんの労働力の軽減、時間短縮に向けて取り組んでいきたい」と玉木社長は意気込む。
実際、この日の積み替え作業には2時間以上かかっていて、このような今回の実証実験で出た課題を、県などは今後分析し、実用化につなげる考えだ。
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