見直しに向けた協議が進められ、注目されているのが「103万円の壁」について。
一定の年収を超えることで納税や社会保険への加入の必要性が生じるため、手取り収入が減ることを「壁」と表現している。

「150万円」「130万円」「106万円」など定められた年収を超えると、扶養する人が受ける配偶者特別控除額が減ってしまったり、社会保険料の負担が生じたりするなど、段階的に壁に直面する。
そして、最初の壁とも言えるのがこの「103万円」。ここを超えてしまうと、所得税が課税されるため、勤務調整などの「働き控え」の一因となっている。
この「103万円」の見直しについては、福島県内の事業者からも歓迎の声が聞かれた。

<スーパーの事業者も103万円の壁に直面>
福島テレビ・宮下真結子記者:「おいしそうなお弁当や総菜が並ぶこちらのスーパーマーケット。年末に向けて忙しさが増しますが、年収103万円の壁により、雇用の調整が必要だといいます」

約30人のパート従業員が働く福島市のフォーズ・マーケット山下店。「103万円の壁」に直面していた。
フォーズ・マーケット山下店の夏井隆一店長は「時期的に年末年始、特に忙しくなってくる時期に、”働き控え”というか、そういうところは毎年あるんですけども、今年は特にそういうパートさん、働いてる方はけっこう多いかなと思いますね」と話す。

<最低賃金の引き上げが労働時間に影響>
その要因が最低賃金の引き上げだ。10月に過去最大の55円引き上げられたが、「103万円の壁」を超えないようにしようと、働く時間を短くせざるを得ない従業員も。
夏井店長は「人が増えているわけではないので、時間を短くされてしまうと、ほかのパートさんにしわ寄せがいってしまったり、非常に大きな影響はございます」という。働けなくなってしまったパート従業員の分を社員が残業してカバーすることもあり「103万円の壁」の見直しに期待している。
夏井店長は「お店の方も助かりますし、働いているパートさんの方も手取りが増えて、非常に助かるかなと思う」と話した。

一方、見直しをめぐっては、大幅な税収減につながるため財政健全化とのバランスが今後の焦点になりそうだ。

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