来年の大阪・関西万博の子ども無料招待事業で、会場の下見などを求める現役教師たちの請願が、大阪府議会で可決されました。
■全会一致で可決 会場の下見など求める請願
5日、大阪府議会で全会一致で可決されたのは、万博の子ども無料招待事業をめぐり、会場の下見などを求める請願で、現役の教師たちでつくる「おまかせHR研究会」が提出していました。
子ども無料招待事業をめぐっては、教育現場からは、引率の安全性について懸念の声が相次でいます。
■校外学習の安全性懸念 会場の下見や費用負担を求める
校外学習では通例、移動の動線やトイレの位置などを確認するための現場の下見を事前に行うことにしていますが、博覧会協会などは当初、工事などを理由に「万博開幕前の下見は困難」「会場を下見した後、来場を取りやめた場合は学校側に入場券代を請求する」と説明。
そこで請願では、
「パビリオンや会場内設備についての情報を教職員および児童や生徒に周知し、各校の実情に応じて、必要かつ十分な教職員数で希望する時期に下見ができるようにすること」
「下見をした学校が万博へ引率できないと最終的に判断した場合にも、学校や教職員が下見の費用を負担することのないようにすること」
「万博招待事業に伴う子どもたちや保護者の不安や疑問に対して、学校ごとの対応に加え、誰もが問い合わせできる窓口を設置及び周知すること」
などを求めました。
■「その都度、現場の声を聴いてもらいたい」と事務局長
請願の全会一致の可決をうけ、「おまかせHR研究会」の事務局長を務める大阪市立中学校の増田育子教諭は、「請願を作ってるときは通らないと思っていたので、とてもうれしい。下見の人数とか内容とかだけじゃなくて、いろんな問題が今後出てくると思うので、大阪府や万博協会には、その都度その都度、現場の声を聴いてもらいたいと思います」と話していました。
■吉村知事「いかに先生方の引率の負担を減らすかが重要」
また、大阪府の吉村知事は5日、記者団に対し、「万博の無料招待事業については、学校の先生方の引率の負担をいかに減らし、いかに課題を解消していくのかが重要だと思っています。学校の先生方の引率の負担をできるだけ小さくして、その中で、子供たちが学校の教育活動として世界をみると、子供たちや自分たちの将来未来に役立ててもらえたらと思います」と述べました。
■博覧会協会 下見認める意向明らかに「下見後来場しない場合も入場券代請求しない」
博覧会協会は先月、当初の方針から一転して、開幕後すぐに万博を訪れる学校を対象に開幕前の下見を認める意向を明らかにしたとともに、「先生方のいろんな不安を解消することに貢献できる」として、下見の後に来場しないと判断した場合でも、入場券代を請求しない意向を明らかにしています。
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