特集は変わる「職場の身だしなみ」です。小売業を中心に、従業員の髪の色やアクセサリーの基準を緩和する動きが広がっています。長野県内外にスーパーセンターなどを展開する企業で狙いと効果を取材しました。


■髪は「アッシュカラー」

綿半スーパーセンター箕輪店。

週末のイベントに向けてポスターやポップを作っているのはエリア社員の森本由起さんです。

箕輪店・エリア社員・森本由起さん:
「ちょっとテンション上がりますね。自分の好きなデザインでやってるので、気持ちもちょっと上向きに」

森本さんのテンションが上がっているのは9月から楽しむお洒落も影響しているようです。


髪はいわゆる「アッシュカラー」。爪には茶色の「ネイル」も。

箕輪店・エリア社員・森本由起さん:
「あまり明るくとかできなかったので、美容師さんと相談しながらギリギリのところをやってたけど、これを機に変えてみました。すごくうれしかったです。正直、待ち遠しかったですね」


■従業員の髪の毛の色を自由化

森本さんが「待ち遠しかった」と話すのは、身だしなみのルール見直しです。

綿半ホームエイドでは9月1日からスーパーセンターなど35店舗でこれまで「こげ茶まで」としていた従業員の髪の毛の色を自由化しました。


当然、金髪もOKです。

また結婚指輪のみ許されていたアクセサリーについても、ピアスやネックレスが着用できるようになりました。

ネイルも業務に支障をきたさない範囲で許されています。


■従業員のモチベーションアップ

見直しの狙いは?

綿半ホームエイド 店舗運営部・進藤遥さん:
「1つ目は従業員が働きやすい環境をつくる。自分らしく働ける環境を提供するのもわれわれの仕事だと思ってますのでそれが1つと、もう1つは人材確保というところになっています。今、若い高校生やアルバイトもどうしても自由な方向の採用にいってしまう傾向がある。ありのままの自分で働ける、そんな環境を整備する2つの狙いがあります。(記者:進藤さんも、髪色明るくされました?)ちょっと明るくしました」

従業員の個性を尊重して働く意欲をアップさせるのが最大の狙いです。

■人材確保につながれば

さらに人手不足が続く中、人材確保につながればという思惑もあります。

綿半ホームエイド 店舗運営部・進藤遥さん:
「『自分、ツートンの髪色だけど大丈夫ですか』とか『ピアスしてますけど大丈夫ですか』とかこの企業OKなんだと(応募の)きっかけにはなっているかなと思う」

箕輪店 パート従業員・柳沢愛美さん(接客):
「(スペアキーで)もし開かなかったらお持ちいただければ作り直し、ご返金できますので」

箕輪店のパート従業員、柳沢愛美さん。見直し後、髪の色をワインレッドにしピアスも着けるようになりました。


ネイルもー

箕輪店 パート従業員・柳沢愛美さん
「赤茶みたいな、(髪と)合わせてるんですよ、コーディネートですよ。(見直しは)すごくうれしかったです、本当に。自分の友達とかが製造業とかで髪の色を何も気にせずやってるのに対して、自分は基本的にはできないのでうらやましいなって感じはありました」


■働く姿勢にも影響

身だしなみの緩和は働く姿勢にも影響を与えています。

箕輪店 パート従業員・柳沢愛美さん
「見た目が変わったので余計に力を入れて接客、お客さまに不快な気持ちにさせないようにしてたい。笑顔で接客できれば」


冒頭で紹介した森本さんもモチベーションアップにつながっていると言います。

箕輪店・エリア社員・森本由起さん:
「ちょっと嫌なことがあっても、『あ、でも爪かわいいし』とか思えるところがある。大学生の方とか、髪色重視して働けない方が面接の段階でいたりしたので、そういう方々が来てくれるとうれしいかな」


■買い物客の反応は

気になる買い物客の反応はー。

80代:
「今の時代ですから違和感は感じない。接客マナーとか態度とかそういう人間性の問題で好感持てますので」

50代:
「接客ちゃんとしててくれれば別に全然いいと思います。会社に入るために髪の毛染めなきゃいけないとか指輪外さなきゃいけないとか嫌なので私も、いいと思います」

綿半ホームエイド店舗運営部・進藤遥さん:
「従業員の方からは楽しく働けている、そんな声が一番多いかなと思う。お客さまからは多様性であるとか、自分らしくというところで『とても素晴らしい』そんなうれしい声もいただいています」


■「多様化」の時代

身だしなみの緩和は他のスーパーなどでも広がっています。

「原信」は2023年11月から、「ベイシア」は2024年5月から、髪の色やアクセサリーの基準を見直しています。

今は多様化の時代。

綿半ホームエイドは障害者の雇用にも積極的で、今後も個性を尊重する職場を追求し、人材確保につなげたい考えです。

綿半ホームエイド店舗運営部・進藤遥さん:
「綿半って自分らしく楽しく働けるんだ、ここをいろんなお客さまに周知していただいて、買い物に来る、もしくは綿半で働きたいとそういう気持ちになってもらえば」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。