広島県に本社を置く大手製材メーカー「中国木材」が秋田県能代市に整備を進めている工場の内部が11日、関係者にお披露目された。製造量は豊富で、積極的な地元雇用。「木都・能代」の名をさらに広める経済効果に期待がかかる。
中国木材は、能代市扇田の工業団地に国内6つ目となる工場を整備してきた。このほど製品をつくるメインの施設が完成し、11日に記念の式典が開かれ、工場の内部もお披露目された。
2024年5月に稼働を始めた「加工集成材棟」は、住宅の柱やはりなどに使われる複数の木材をつなぎ合わせた「集成材」を製造している。
木材の水分量や形を検査した上で表面を滑らかにするラインは、機械は大きいが携わっている人はわずかで、ほとんどの作業が自動化されていることが分かる。
能代工場は、中国木材の国内工場で最大の生産能力を持ち、月に5000立方メートルの集成材を製造できる。
運び込まれた丸太を集成材の原料に加工する「製材棟」も公開された。この工場で使われる木材は全て国産で、その大半が能代市周辺から調達されている。
さらに雇用にも力を入れ、現在150人が地元出身の従業員だ。木都・能代の資源や人材をフルに活用することを目指す。
また11日は、秋田県と能代市、中国木材の3者が、建築物に木材を積極的に活用しようと協定を結んだ。3者は今後、協力しながら原料の安定供給と伐採後の森林づくりを目指す。
中国木材の堀川保彦社長は「地元企業ともいろいろなことで協力できると思う。工場ごとに得意・不得意があると思うので、互いに補いながらやることで、本当の意味での山の価値が生まれてくると思う」と語った。
能代工場では、2025年9月に製品を保管する倉庫が完成するほか、2026年には敷地内で製造工程で出た端材などを活用した「木質バイオマス発電所」が稼働する予定。
現在は能代工場で製造された集成材を陸路で全国へ運んでいるが、将来的には能代港から船で運ぶ道を探りたいという。さまざまな形で能代を活性化させる存在となることが期待される。
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