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ノーベル賞物理学賞を受賞したカナダ・トロント大学のジェフリー・ヒントン教授は“AI(人工知能)のゴッドファーザー”と呼ばれています。
私たちの生活にもはや欠かせない便利なサービスや、あの人の偉業もこの2人がいなければ実際にはなかったかもしれません。
画面を触れずにロックを外せるスマートフォンの顔認証や、留守の間に部屋をきれいにしてくれる「お掃除ロボット」。
さらに令和の最強棋士・藤井聡太七冠も将棋上達のために使っているもの、それがAIです。
人工知能学会の会長でもある、慶応大学の栗原聡教授によると、アメリカ・ブリンストン大学のジョン・ホップフィールド名誉教授は、AIのもととなる技術を確立したいわば“生みの親”。
そして、もう1人が“AIのゴッドファーザー”カナダ・トロント大学のジェフリー・ヒントン教授。
その技術を使い、実用化に近づけた“育ての親”だということなんです。
例えば、多くの画像の中からAIを使って犬を判別するとします。
ホップフィールド教授は、人間の脳にヒントを得て、コンピューターに犬の特徴を連想し、記憶させる技術を確立しました。
そして、ヒントン教授がその技術を使い、実際の画像から犬の特徴を見つけ出し、犬と判別する仕組みを作りました。
生活を便利に変えたAIの発明ですが、ノーベル賞発表の際のインタビューで、ヒントン教授は「AIが莫大(ばくだい)な利益、生産性の大幅な向上。人々のより良い生活につながることを期待しています。医療分野ではそうなると確信しています。私が心配しているのは、人間よりも賢いものが登場したときに、AIが悪いことにもつながるかもしれないということです。人間がそれらを制御できるかどうかは誰にもわかりません」と、AIの危険性について警鐘を鳴らしています。
実はヒントン教授、AI技術で最先端を行くグーグルに勤めていましたが、2023年突如退社。
その理由は、AIの危険性について発言するためでした。
スペシャルキャスター パトリック・ハーラン:
最近だったら、アメリカ大統領選挙でも、テイラー・スウィフトがトランプを応援しているかのような、AIによって作られたフェイク画像をトランプ本人が広めているんです。さらには、ウクライナのゼレンスキー大統領のリアルにしか見えないフェイク動画も出回っています。真実とウソの見分けがつかなくなってきた。それもAIの脅威ですね。
ヒントン教授は8日の受賞発表の際に「多くの優秀な研究者が、今後20年以内にAIが人間よりも賢くなると考えている」と発言していました。
スペシャルキャスター パトリック・ハーラン:
今まではAIの得意分野不得意分野が結構分かれていました。人間にしかできないものもあったと思われていましたけど、ヒントン教授が「人間だけのものがもうなくなってしまう」と。最近、AIがジョーク、ギャグを解説できるようになったんです。発言は難しいですが、ユーモアの仕組みが分かるとこの先、われわれお笑い芸人の仕事も奪われていくんじゃないかなと。
実はこんなに懸念している方でも、受賞の電話、報告の電話がかかってきたときは、「これはAIのなりすましだろう」と本人も警戒したんです。ちょっとスウェーデンなまりでしゃべっているから、本物だと気づいたと。
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