10月は大規模な値上げがあり、物価高が国民の生活を直撃しています。値上げの対象は酒類、飲料、ハム、ソーセージ、菓子など2024年4月の2897品目を上回る2911品目で、年内最大の値上げ数となりました。要因となっているのは物流費、人件費、原材料価格の高騰などです。そんな中、福井市内のある店舗では、独自の価格対応策で逆境に立ち向かっています。その食品売り場を取材しました。
 
まず、買い物客に値上げについて聞くと―
「コメの値段が上がってほしくない。おいしいコメが食べたいが、値段が以前と大きく違う。年金だから大変」
「飲食店の食べ物は昔は安かったイメージがあるが、最近は高くなっている」
「この頃は何でも値段が高くなったので、購入数を少なめにしようとしている。肉も少しずつ、安いスーパーをめぐったりしている」
 
大規模な値上げに対する戸惑いの声が聞かれました。
   
福井市のショッピングセンター「アル・プラザベル」の村中秀行食品店長も「値上げが止まらない状況が続いている。10月の大多数の品目で値上げがあり、販売している方としては心苦しい部分もあるが、受け入れざるを得ないのが現状」と苦しい胸の内を明かします。
 
村中食品店長によると「アイスが今回10パーセント前後の値上げとなっている」といいます。
 
アイスメーカーの「森永」や「明治」の商品が10月から値上げされたといいます。また、「AGFのコーヒー各種は10パーセントから20パーセント近く上がっている。ようやく気温が下がってくるので、これから購入機会が増える商品が値上げとなることで、客としても痛いところでは」と話します。
 
ペットボトルの飲料も10パーセント前後の値上げですが、こちら食品売り場では独自の対応策もとっています。黄色いタグが付いたものは「本来だと198円のところを超特価として11月30日までは158円で販売している」といい、11月末まで40円引きとなった1.5リットル入りのペットボトル飲料もありました。
 
ほかにもプライベートブランドの『くらしモア』は、10月31日まで、100品目限定で値下げ商品をそろえています。
 
相次ぐ値上げの波に抗うように、期間限定の値下げの手段に打って出た店、ただ、値上げの傾向はこの先も続くと予想しています。
 
「アル・プラザベル」村中秀行食品店長:
「円安も一段落しているが、まだまだ先行きが不透明な部分は多くある。今後も値上げの方向は続いていくと個人的に思う」
 
2024年最大規模の食品の値上げラッシュ、値上げは一体、いつまで続くのでしょうか。
  
帝国データバンクによると「消費者は、プライベートブランドなど低価格帯の商品を求めたり、買い控えといった行動が定着してきた。対してメーカー側は価格を変えず据え置きにして、商品の量を減すといった値上げに慎重な姿勢もみられる」としています。
 
値上げに踏み切るのか、価格を据え置くのか、それとも値下げ策に出るのか。メーカー側や販売側も難しい判断が迫られています。

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