金融経済懇談会に臨む日銀の野口旭審議委員(3日、長崎市)

日銀の野口旭審議委員は3日午前、「2%の物価安定の目標と整合的なマインドセットが社会全体で確立されるまでにはまだ相応の時間が必要だ」と述べた。「それまでは緩和的な金融環境を忍耐強く維持し続けることが重要と考える」と発言した。

長崎市で開いた金融経済懇談会で講演した。「今後、消費者物価の上昇率が賃金上昇を伴いながら2%近傍で安定しつつあることを慎重に見極めながら、金融緩和を徐々に調整していく」とも言及した。

日銀は7月の金融政策決定会合で、2026年3月にかけて長期国債の買い入れ額を段階的に減らす具体的な計画を決めた。野口審議委員は「バランスシートの縮小は十分な時間をかけて慎重に進めていくことが可能で、それが市場の安定にとっても望ましい」と語った。

日銀は7月会合で、9人の政策委員のうち7人の賛成多数で政策金利を0.25%に引き上げると決定した。野口審議委員は「賃金上昇の浸透による経済状況の改善をデータに基づいて慎重に見極める必要がある」として反対したことを説明した。

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