英ホテル大手、インターコンチネンタル・ホテルズ・グループ(IHG)は23日、日本初進出となるホテル「シックスセンシズ京都」(京都市東山区)を開業し、報道陣や関係者を集めた記念式典を開いた。「スーパーラグジュアリー(超高級)」に位置づけられるホテルで、京都・東山エリアに立地。円安も追い風にインバウンド(訪日客)が集中する京都で高級ホテルの出店が勢いを増している。
式典に出席したホテルブランドを管理するシックスセンシズ ホテルズ リゾーツ スパ(タイ・バンコク)のニール・ジェイコブスCEO(最高経営責任者)は「他にないホテル体験を提供したい」などとあいさつ。開発などを担ったウェルス・マネジメント(東京都港区)の千野和俊会長は、日本人が古来持つ自然信仰と、シックスセンシズが表現するサステナビリティー(持続可能性)などに共通点があり、新ホテルの設えやサービスでも随所に取り入れたことを強調したうえで「新しい形のファイブスター(五つ星)ホテルを堪能いただきたい」と呼びかけた。
新ホテルは全81の客室のほか、レストランやスパ、プールなど付帯施設を充実させ、最安でも1泊1室15万円(税・サービス料込み)から。最高級の「ペントハウス・スイート」は238平方メートルで1泊1室200万円前後からだが「宿泊だけでなく商談会場などに使いたいとの問い合わせが増えている」(担当者)という。
館内は木材を多用し、水の流れを描いた襖絵や鳥獣戯画のモチーフなどを使用。敷地内にレストランの食材や宿泊客の体験サービスとして利用するハーブや野菜の農園を設けるなど、日本文化や自然、サステナビリティーを感じられる空間となっている。
京都市内では近年、訪日客をターゲットにした超高級ホテルの出店が急増。「量」より「質」を重視する富裕層の誘客がオーバーツーリズム(観光公害)の抑制につながるとみて、京都府市も高級宿の誘致を強化している。こうした背景から今年、いずれも日本初上陸となる「バンヤンツリー・東山 京都」(同)、「リージェント京都」(同市左京区)など五つ星ホテルの開業が続く見通しだ。(田村慶子)
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