島根県出雲市は2025年2月をめどに、デジタル地域通貨事業を始める。アプリに電子マネーをチャージして市内の加盟店で買い物ができるほか、ボランティアなどに参加した市民にポイントを付与する。市民や観光客らに市内での買い物を促す。地域内でおカネが回る仕組みをつくり、地域経済の活性化につなげる。

出雲市のデジタル地域通貨のアプリ画面のイメージ(山陰合同銀行提供)

出雲市は、山陰合同銀行と三菱総合研究所が立ち上げるプラットフォーム「さんいんウォレット(仮称)」を活用する。自治体や店舗が簡単に地域通貨やポイントサービスを導入できる仕組みだ。自治体で導入を決めたのは出雲市が初めて。利用者はアプリで地域通貨やポイントなど各種サービスをワンストップで利用できる。

出雲市が導入する地域通貨「出雲市マネー(仮称)」は銀行口座などからチャージし、市内の加盟店で買い物に使える。高齢者らの利用を想定し現金でもチャージできるようにする。全国展開するスマートフォン決済アプリ事業者と比べて加盟店の手数料を抑えるほか、買い物時に還元するポイント比率を高めて、早期の普及をねらう。

ボランティア活動などにポイントを還元する仕組みも導入する。1ポイント1円として利用できる。

市は「出雲市マネー」を給付金などの支給に使うことも想定する。申請や振り込みなどの事務負担を減らせるほか、給付金が市内で消費されることで経済活性化にもつながるとみている。

運営には出雲市で地域情報サイトを運営するアルテミスビュースカイ(同市)も参加、加盟店の開拓などで協力する。市は市民のほか観光客らにもアプリの利用を呼びかける。26年度末で利用者2万人、加盟店2000店舗を目指す。

  • 【関連記事】山陰合銀、デジタル地域通貨の基盤作り 共通ポイントも

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。