毎年人気の北海道物産展がスタート。その中でも“とある魚”が注目されています。

 あべのハルカス近鉄本店で9月11日に始まった大北海道展。食の宝庫、北海道から届くイチオシの商品が集まりました。北海道東部に位置する標津産の希少なシマエビに旬の秋サケのイクラがたっぷりと乗った海鮮丼や、ラーメン激戦区・札幌すすきのから、初登場の味噌ラーメンなど、胃袋がいくらあっても足りない北海道の美味しいものがところ狭しと並びます。

 訪れた人からはこんな声が聞かれました。

 「入った瞬間おいしそうな匂いがしたのですごいなと思いました」
 「北海道展があれば必ず来てます」
 「自分で北海道を回らなくても、美味しいものが食べられる」

 中でもバイヤーイチオシが積丹で育った特大のホッケ。イワシやニシンをえさとしているため通常より身に脂がのっています。

 そんな中、ちょっと見慣れない魚の姿も…

 (シハチ鮮魚店 堺鉄兵さん)「こちらがオオカミウオです。このままでは魚店が売りづらいのがひとつ。なおかつ加工して食べるとなるとひと手間かかるので、そこまでというような」

 これらは「未利用魚」と呼ばれ、“見た目が悪い”や“加工に手間がかかる”などといった理由で市場に出回らない魚。今年の物産展ではそんな未利用魚のことを知ってもらいたいと、来場者に各日20名程度、先着順で試食を提供しています。

 (近鉄百貨店・大北海道展バイヤー 森島尚さん)「(Q未利用魚の可能性は?)活用されない魚がたくさんあるので、それを消費していただくことで漁業を継続させるひとつの切り口になったらいいなと思うので、微力ながら協力できたらと思います」

 地球温暖化や特定の魚に偏った漁などの影響で、2048年にも海から食用魚がいなくなると言われている「2048年問題」。その解決策のひとつとして、未利用魚が注目されていて、食品ロスの減少や漁業関係者の収入アップにもつながると期待が寄せられています。

 こうした中、すでに未利用魚をうまく活用して販売している店も。やってきたのは回転寿司チェーンのくら寿司です。

 (くら寿司・広報 小山祐一郎さん)「(Qこれは?)シイラです。魚好きの方には知られていますが一般には出回ってない」

 ハワイでは「マヒマヒ」とも呼ばれ高級魚のシイラ。ですが日本では鮮度の維持が難しいことなどからほとんど食べられてきませんでした。しかし自社センターで加工するなど工夫して2017年から販売を実現。珍しいため売れ行きも好調だといいます。

 (くら寿司・広報 小山祐一郎さん)「回転寿司という手軽な感じで提供することでおいしさを発見していただく。また同じ魚を見かけたときに手に取ってもらえるとか、日本の魚を消費していけるきっかけにできたらと」

 未利用魚が食卓の危機を救う一手となるのでしょうか?

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