厳しい残暑は秋の味覚にも異変をもたらしています。
11日、東京スカイツリーの広場にオープンした屋台の縁日。
表面に傷がついた梨、いびつな形のサツマイモ。
全て訳あり品です。
このイベントは記録的猛暑の影響を受けた、ふるさと納税の返礼品を提供する事業者を応援しようと開かれました。
購入した人(70代):
やっぱり買ってあげないとかわいそう。せっかく一年間育てて作っているのに。
茨城県産の紅はるかを冷凍焼き芋にし、アイスをのせて、暑い日にぴったりなスイーツにして販売。
形はいびつでももちろん、味は変わりません。
さらに、シャインマスカットやナガノパープルなど、サイズがそろわなかったものは「ブドウあめ」にして販売。
信州うちやま農園・内山俊政代表は「今後猛暑なり何なりで何あるか分からないですけど、第三の出荷形態の受け皿として認知されれば十分ありがたい」と話します。
一方、記録的な猛暑によって千葉・市川市の梨農園では、収穫間近の梨に深刻な影響が出ています。
梨農家・板橋健一さん:
今年は被害がとても多いんで、黒くなっているのが分かりますかね。
梨の表面を覆うのは、シミのような黒ずみです。
強い日差しや高い気温の影響で、梨の表面が黒く変色して傷む「日焼け」の被害が出ています。
特に被害が出ているのは、実が大きく今が収穫の最盛期を迎えている「新高」という品種です。
「新高」の5割ほどが日焼けの被害で出荷できなくなってしまったといいます。
実際に黒ずんだ梨の断面を見てみると、実の部分も変色していました。
通常の梨と比較しても、高温障害が出た梨の断面は一目瞭然です。
梨農家・板橋健一さん:
一年手をかけて半分がダメっていうのは、すごく残念ですね。やっぱり暑すぎちゃって、平均気温が高すぎちゃうんでだんだん気候が変わって、作る場所が合わないのかなと。
暑さの影響で廃棄が年々増えているため、「新高」の栽培をやめることも考えているといいます。
この日も収穫中に廃棄される梨が多くありました。
2024年の猛暑によって廃棄される梨の被害額は100万円にも上るといいます。
一方、残暑とともに心配されるのが「熱帯じょう乱」。
台風を含む熱帯地方で起こる大気の乱れです。
今週発生した2つの“台風のたまご”のうち1つが台風13号「バビンカ」に発達。
今週末から来週にかけての3連休で、沖縄や奄美付近に最も接近する見込みです。
もう1つの台風のたまごは台風とはならない見込みですが、再来週の3連休へかけてさらなる「熱帯じょう乱」が発生する恐れがあり2週連続で警戒が必要です。
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