(ブルームバーグ):9日朝の東京外国為替市場の円相場は1ドル=142円台前半に上昇。米国の8月の雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回り、米景気減速を警戒したドル売り・円買いが優勢になっている。

非農業部門雇用者数は前月比14万2000人増と市場予想を下回り、6、7月分も下方修正された。失業率は4.2%と5カ月ぶりに低下した。

米雇用者数の伸び、市場予想に届かず-利下げ幅巡る議論活発化へ

野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは9日付のリポートで、大きなネガティブサプライズは回避されたものの、米株下落やVIX指数上昇は市場の景気失速への根強い懸念を示していると指摘。ウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事が大幅な利下げにオープンな姿勢を示したこともあり、ドルの「上値の重さは解消されなさそうだ」と述べた。

ウォラーFRB理事、大幅利下げの可能性に「オープンマインド」

 

6日の米国市場で円は雇用統計を受けて乱高下した後、一時141円78銭と8月5日以来の高値を付けた。金利スワップ市場は9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げを確実視し、50bpの利下げも3割程度織り込んでいる。債券市場では2年債利回りが前日比約10ベーシスポイント(bp)、10年債利回りが2bpそれぞれ下げた。

第一生命経済研究所の桂畑誠治主任エコノミストは9日付のリポートで、米雇用統計では労働市場の減速は緩やかで急速に悪化してないことが確認されたと指摘。景気が底堅く推移しているとみて、今月のFOMCは25bpの利下げを実施すると予想した。

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