(ブルームバーグ):4日の米国債市場では、予想を下回る米労働省雇用動態調査(JOLTS)データを受けて米金融当局による大幅利下げ観測が強まり、2年債利回りが10年債利回りを一時下回った。逆イールド(長短金利差逆転)の解消は2022年以降で2度目。

米国債相場は7月の米求人件数が2021年1月以来の低水準となったことに反応し、短期債を中心に大幅上昇。2・10年債利回りが一時、順イールドに戻った。これは米経済が悪化の瀬戸際にある兆候だと一部では受け止められている。

2022年3月の米利上げ開始以降、順イールドはほぼ見られなかったが、弱い雇用統計で利下げ観測が強まった8月5日に一時的に回復していた。

BMOグローバル・アセット・マネジメントの債券責任者、アール・デービス氏はJOLTS統計について、米金融当局が9月会合で50bpの利下げに踏み切る「ハードルを下げる」ものであり、「非常に意義深い」と指摘。「50bpの利下げで開始となれば、一度で終わらないだろう。引き下げ余地は十分にある」と続けた。

金利スワップ市場は、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利下げを確実視しているほか、30%以上の確率で50bp利下げを織り込んでいる。

年内残る3回の会合では、合計107bpの利下げが見込まれている。

年内の各FOMC会合での予想利下げ幅

原題:US Yield Curve Disinverts as Soft Labor Data Fuels Fed Cut Bets(抜粋)

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