(ブルームバーグ):今夏の猛暑に続いて残暑の予報が出ており、東京ディズニーリゾートといった屋外型テーマパークの収益が影響を受けそうだ。異常気象は経済全体やインバウンド(訪日外国人)の動向も左右するとの指摘も出ている。

7月の全国平均気温は過去最高を更新、8月も顕著な高温が持続した。気象庁の見通しでは9-11月も全国的に気温が高い。この中でディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは上期(4-9月)の営業減益を予想、株価もさえない。経費増に加えて天候の影響が入園者数のマイナス要因とした。中長期的な猛暑対策の考え方を次の経営計画の中で明らかにする方針だ。また屋外型では富士急ハイランドを手掛ける富士急行の株価も低迷している。

猛暑や台風、豪雨といった異常気象が長引くと設備投資や個人消費圧迫を通じて経済全体に影響が及ぶ。最近では台風上陸が多かった2018年7-9月期や19年10-12月期は実質国内総生産(GDP)がマイナスに陥った。天候不順は屋外型施設やホテル業への影響もある一方で、サンリオピューロランドやラウンドワンといった屋内型テーマパークには追い風になり得る。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは猛暑下の屋外型テーマパークについて、子どもを連れた家族は行くのをやめるとか早めに帰ったりするだろうとして「1人当たりの単価も下がることが考えられる」と述べた。さらに異常気象では今年のお盆に台風7号の影響で新幹線が止まったことで宿泊先のキャンセルが発生した影響もあったと語った。

株価

オリランドの株価は年初来で25%下落、日経平均株価採用企業でワースト7位に入る。オリランド筆頭株主の京成電鉄が31%安でワースト4位だ。富士急の株価は38%値下がりした。年初来で日経平均と東証株価指数(TOPIX)は16%値上がりしている。

一方でピューロランドを運営するサンリオの株価は93%上昇、ラウンドワンは56%高とオリランドはもちろん日経平均やTOPIXの3.5倍以上のパフォーマンスを上げている。屋外型と屋内型のテーマパークの株価は二極化が鮮明だ。

オリランドについて丸三証券アナリストの大塚泰地氏は「暑さは需要に対してマイナスに影響することで、7-9月期にどう影響したかアナリストがかなり注目している」と語った。岩井コスモ証券の清水範一アナリストは、厳しい猛暑が続けば屋外から屋内型のピューロランドやラウンドワンに「避難する人が増えるだろう」と予想した。

「厳しい残暑は業績への悪影響を通じて株価にマイナスの影響が出る可能性がある」と第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは予想した。秋の猛暑は消費にとってマイナス面が大きいとして、日本を魅力的な旅行先と見ている外国人観光客を抑止する要因にもなり得るとの見方を示した。

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