常陽銀行は30日、筑波大学とAI(人工知能)を使った企業の財務分析から異常な会計を検知する仕組みについて共同研究を始めたと発表した。筑波大が上場企業を対象に開発してきた検知モデルをベースに、常陽銀が融資業務を通じて蓄積してきた財務データを学習させ、融資審査における財務情報分析の高度化につなげる。
上場企業のように会計監査を受けない非上場の中小企業は売上高や在庫、借入金などに関して会計上の問題点を抱えていることがある。筑波大ビジネスサイエンス系の尾崎幸謙教授や中村亮介准教授らとの共同研究により、上場企業以外でも同等の精度によりこうした異常点の検知ができるようにする。
新システムの実用化時期は未定。共同研究の期間は今後1年間とするが、必要な場合は延長する。常陽銀は筑波大が開発し特許出願中の検知モデルを活用した研究に協力することで将来の融資審査時間の短縮など業務効率化を狙う。
常陽銀は2020年から融資先の財務上の異常点を検知するため独自のシステムも運用している。共同研究で得る知見はこのシステムの機能向上にも生かす。
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