(ブルームバーグ):注目されていたエヌビディアの決算は、結局のところ予想されていたような波乱を株式市場にもたらさなかったようだ。

ニューヨーク時間29日、通常取引開始前の時間外でエヌビディアは一時5.3%下落。取引開始後は下げ幅を縮小している。前日の引け後に発表した決算は、一部投資家の期待に届かなかった。しかしS&P500種株価指数とナスダック100指数はいずれもエヌビディアのウエートが大きいにもかかわらず、午前の取引で上昇している。

考えられる説明としては、エヌビディアのデリバティブ取引が最近になって比較的静かだったために、株式市場全体の下落につながるヘッジフローが減っていた可能性が挙げられる。ブルームバーグの計算によると、S&P500種単一銘柄オプションの想定元本全体に占めるエヌビディアの比率は、5月と6月に50%以上だったが、今では大きく下がって20%強となっている。

S&P500種単一銘柄オプションの想定元本全体に占めるエヌビディアの比率

30日に期限を迎えるエヌビディアの主要オプション5つのうち、4つがコール。唯一のプットは権利行使価格が110ドル、想定元本がわずか約7億ドルだ。足元の株価が120ドル付近で推移しているため、このオプションはイン・ザ・マネーではなく、株価がこの水準を上回ったままであれば、その価値は満期時にゼロになる。

動画:ウェドブッシュのダン・アイブス氏

一方で30日の満期時にオプション保有者に最大の損失を引き起こす最大ペイン水準は、120ドル前後と想定される。この水準を避けて損失を免れたいオプション保有者は株価押し上げに動く傾向があるため、これが短期的な支持線の役割を担う可能性がある。

原題:Here’s Why Nvidia’s Drop May Not Impact US Indexes That Much (1)(抜粋)

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