企業向けサービス価格指数は今後の消費者物価指数に影響を与える(日銀本店)

日銀が27日発表した7月の企業向けサービス価格指数(2020年平均=100)は107.5と、前年同月比で2.8%上昇した。6月(3.1%上昇)から伸び率が0.3ポイント縮小し、2カ月ぶりの縮小となった。幅広い分野で価格改定が進んだ前年7月の反動で伸び率が縮小した。

ただ人件費転嫁の動きが続き、前月比では0.3%上昇した。

企業向けサービス価格指数は企業間で取引されるサービスの価格動向を表す。例えば貨物輸送代金や、IT(情報技術)サービス料などで構成される。モノの価格の動きを示す企業物価指数とともに今後の消費者物価指数(CPI)に影響を与える。

内訳をみると、宿泊サービスは前年同月比で13.5%上昇し、6月(26.8%上昇)から伸び率が大きく縮小した。インバウンド(訪日外国人)需要は堅調だが、前年7月に多くの自治体で全国旅行支援が終了し、価格が上昇した反動が出た。

ソフトウエア開発は2.7%上昇した。人件費の価格への転嫁が進んだ。一方で、人件費や機材費などの価格転嫁が進んだ前年7月の反動で6月(3.6%上昇)から伸び率が縮小した。

調査品目のうち、生産額に占める人件費のコストが高い業種(高人件費率サービス)は2.7%上昇し、低人件費率サービスも2.7%上昇した。調査対象の146品目のうち、価格が前年同月比で7月に上昇したのは114品目、下落は19品目だった。

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