(ブルームバーグ):26日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=143円台に上昇し、3週間ぶり高値を付けている。前週末にパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が利下げの時が来たと発言し、金融緩和の調整を進める日本との金融政策の方向性の違いが改めて意識されている。中東情勢の悪化を懸念したリスク回避も円の上昇を後押ししている。

大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、パウエル議長の発言で9月連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始が明確となり、「ドルの先安観が強まる流れが続きやすい」と指摘。ドル指数が昨年12月の安値を割れて一段安となる可能性が浮上しており、円は5日に付けた高値141円70銭を試す可能性が高いとみる。

イスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの対立激化への懸念が高まっていることがリスク回避の円買い要因となり、円はシドニー市場から主要10通貨に対して全面高となっている。石月氏は、中東情勢を懸念した円買いが続くかはヘッドライン次第とした上で、「対立が激化するリスクがゼロではない以上、リスク回避にはなりやすい」と語った。

23日の米国市場では円相場が対ドルで1%を超える上昇。パウエル議長の発言を受けて、FRBが9月のFOMCで利下げを開始するとの見方からドルが全面安となり、円は146円台から144円前半まで円高が進んだ。金利スワップ市場は9月の25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げを完全に織り込み、さらに約30%の確率で50bpの利下げを織り込んでいる。

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