福島県福島市のJR福島駅西口の顔・イトーヨーカドー福島店が閉店してから3ヵ月余りが経った。跡地の利用方法が未だ決まらず、近くの商店街は存続に危機感を抱いている。

<日中でもまばらな人通り>
JR福島駅西口前の通りは、日中の時間帯だが、人通りはまばら。お盆期間中の8月14日、福島駅西口の周辺は閑散としていた。
福島市民は「ちょっとさみしいですね。たしかにここ(イトーヨーカドー)無くなって足は遠のいたかなと」「(駅の)東側と西側と見たんですよ。人の流れ、全然違う。やっぱり西の方が閑散としてるというか」と話す。

<通行量が30%以上減少>
福島市によると、イトーヨーカドーの閉店後、JR福島駅西口の1日の通行量は、平日・休日ともに30%以上減少しているということだ。
駅周辺の空洞化を早期に解消するため、福島市は8月に初めて「西口の開発」を議論する検討会を開催。学生や市民などが参加するこの検討会で危機感を訴えたのが、近くの商店街に店を構える追分拓哉さんだ。「太田町・三河町の商店がですね、非常に売上げが減っている。『ついで』による『ついでに通る』という形の人口減がものすごい勢いで迫っております」と追分さんは訴える。

<閉店後、店の売り上げが減少>
旧イトーヨーカドーから200メートルほど離れた太田町商店街。追分さんの店はこの場所で100年近く酒の販売などに携わっている。
追分の追分拓哉会長は「(イトーヨーカドーの)恩恵がなかなか感じなかったんですが、いざ無くなってみましたらですね、『ああ大いにイトーヨーカドーさんに助けられていたんだな』ということをつくづく感じますね」と話す。
イトーヨーカドーの閉店後、店の売上げは2~3割減少。イトーヨーカドーでの買い物に合わせて立ち寄る“ついで客”がいなくなったことが大きく響いている。

<商店街も存続の危機>
太田町商店街では、2024年6月に青果店とクリーニング店が相次いで閉店していて、商店街が存続の危機に立たされていると感じている。
追分さんは「これがやっぱり5年も10年もかかったんでは完全に崩壊してしまいますね。早急に対応してもらわないとですね、なかなかキツい。商店としての存続ができなくなる可能性が多大でありますね」と話す。

福島市によると、複数の事業者が跡地の活用に関心を示しているということだが、まだ具体的な道筋は何も決まっていない。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。