(ブルームバーグ):ダニエル・ローブ氏率いるヘッジファンド運営会社サード・ポイントは、旗艦ファンドで最もパフォーマンスが好調な大型ハイテク株の一部を保有しているにもかかわらず、4-6月(第2四半期)の運用成績でS&P500種株価指数を上回ることができなかった。23日に投資家に送付された書簡から明らかになった。

同社の「オフショアファンド」の第2四半期パフォーマンスがプラス1.8%だったのに対し、同期間のS&P500種はトータルリターンベースで4.3%だった。第1四半期も同様で、株式ポートフォリオのほぼ半分を人工知能(AI)関連銘柄が占めていたにもかかわらず、指標を下回る結果となった。

同ファンドは第2四半期にAI銘柄への投資を増やし、「マグニフィセントセブン」と呼ばれる大手ハイテク企業の一つであるアップルの株式を新規取得した。機関投資家の保有が減り、アップルの株価収益率が抑えられていると判断した4月にポジションを取った。

サード・ポイントは、アップルの状況について「数年にわたる利益成長の停滞が原因であり、さらに最近ではアップルがAIの敗者となるのではないかという懸念が強まったためだとわれわれは考えている。われわれの調査は異なる結論に達した。AI関連の需要が、今後数年にわたってアップルの収益を大きく改善させる可能性があると考える」と書簡で説明した。

ヘッジファンド各社は、第2四半期にマグニフィセントセブン銘柄の大半についてポジションを縮小したが、アップルとアマゾン・ドット・コムは例外だった。ブルームバーグが株式保有報告書「フォーム13F」を分析したところ、6月末までの3カ月間で、時価総額ベースでヘッジファンドによる購入が最も増えたのはアップルで、850万株強の買い越しだった。

サード・ポイントの書簡によると、同ファンドの保有銘柄で第2四半期に最もパフォーマンスが良好だった銘柄には台湾積体電路製造(TSMC)、アルファベット、アマゾン、ビストラが含まれた。同ファンドはコアペイやインターコンチネンタル・エクスチェンジ、ロンドン証券取引所グループのポジションを積み増した。

パフォーマンスの足を最も大きく引っ張った5銘柄はコアペイとバス&ボディワークス、アドバンス・オート・パーツ、ファーガソン、エアバスだった。

原題:Loeb’s Third Point Adds Apple Shares, Still Can’t Beat S&P 500(抜粋)

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