(ブルームバーグ):一段とリスクの高い商品で知られるようになった米国の上場投資信託(ETF)市場で、ひときわ目立つ新ファンドが登場した。
14億ドル(約2085億円)規模の資産運用会社ディファイアンスは15日、「ディファイアンス・デーリー・ターゲット1.75倍ロングMSTR・ETF」(証券コードMSTX)を投入した。同ファンドは、マイクロストラテジー株に対してレバレッジをかけたリターンの提供を目指す。
暗号資産(仮想通貨)ビットコインを大量保有するマイクロストラテジーの株式の90日ボラティリティーは約97%。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)によれば、MSTXは米国で最もボラティリティーの高いETFとなる可能性が高い。
ブルームバーグ集計のデータによると、同じく株価が大きく変動する傾向があるテスラ株の90日ボラティリティーは66%、エヌビディア株は63%。S&P500種株価指数に連動するステート・ストリートの大型ETF「SPDR・S&P500ETFトラスト」(SPY)は14%だ。
MSTXは、デリバティブ(金融派生商品)を利用して原資産となる株式のリターン拡大や逆張りを目指す「レバレッジド単一銘柄ETF」の仲間入りをした。株式相場が今年の多くの期間で上昇する中、これらのETFの人気は高まり、多額の資金が集まっているほか、さまざまな発行会社や新商品が登場している。しかし、MSTXの投資家はその中でも最も急激な変動に直面する可能性があると、BIのエリック・バルチュナス氏は指摘する。
高リスクのファンドは現在激しい競争状態にあり、「より多くの発行企業がボラティリティーの限界に挑もうとしている」と同氏は分析した。
レバレッジド単一銘柄ETFは2年前に初めて登場。ただ、米証券取引委員会(ETF)は特に個人投資家に対して警鐘を鳴らしている。これらのファンドはボラティリティーを利用する方法を提供する一方で、損失を拡大させる可能性もある。
原題:Wall Street Just Got Its Most Volatile ETF as Risky Bets Boom(抜粋)
--取材協力:Katie Greifeld.
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