福岡と韓国・釜山を結ぶ高速船「クイーンビートル」が船体の浸水を隠して運航を続けていた問題で、13日に就任した運航会社・JR九州高速船の社長らが会見を開き、謝罪しました。

14日午前11時から開かれた会見には、13日付でJR九州高速船の社長に就任した大羽健司氏、親会社のJR九州から総合企画本部長の松下琢磨取締役と山根久資 総務部長が出席しました。

冒頭、JR九州の松下取締役は「グループ会社・JR九州高速船において、安全確保に関する重大な問題を発生させてしまいました。関係の皆様、多くのステークホルダーの皆様、そして監督官庁である国土交通省の皆様、多くの皆様にご迷惑とご心配をおかけし、何より夏休みに入り旅行等で楽しみにしていた多くのお客様のご期待を裏切ることになってしまいました。誠に申し訳なく思っております。この場を借りてお詫びを申し上げたいと思います。本当に申し訳ございませんでした」と語り、3人で約20秒間、頭を下げ謝罪しました。

この問題は、JR九州高速船が運航する「クイーンビートル」船体の浸水を今年2月に把握しながら必要な国への報告を行わず、約4カ月間運航を続けていたものです。

国からの抜き打ち監査で船内の浸水センサーの位置をずらし、データを改ざんしていたことも明らかになり、クイーンビートルは13日から当面の間、運休しています。

親会社のJR九州は、事態を重く見て、13日付で田中渉前社長を解任(取締役に降格)してました。

14日の会見では、今回の問題について、

・去年2月、船体への浸水が認められたにも関わらず国土交通省への報告を怠った
・日々の異常の有無を報告する「航海日誌」「メンテナンスログ」等に記載せず、別途、表に出ない形で浸水に関する管理簿を作成していた
・今年5月に警報センサーの位置をずらしていた

ことが改めて説明され、いずれも田中前社長が把握し、2月に国交省へ報告をしなかったのは田中前社長の指示だったということです。

またJR九州高速船の大羽新社長は「一連の状況は安全管理体制が機能していなかった。安全風土が定着していなかった、安全意識が浸透しきれていなかったのが根本のところ。私のやるべきことは、まず安全風土を根付かせて、安全意識をしっかり浸透させる、というところだと思う。行動で信用信頼を取り戻していきたい」と語りました。

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