日産自動車は19日、令和6年3月期連結業績予想の下方修正を発表した。本業のもうけを示す営業利益を従来予想比900億円減の5300億円(前期比40・5%増)、最終利益を200億円減の3700億円(66・7%増)にそれぞれ引き下げた。
販売台数を従来見通しの355万台から344万台に下方修正。加えて、物価上昇や販売台数の減少などによる取引部品メーカーのコスト負担を軽減する費用を計上することが響く。売上高の見通しも4000億円減の12兆6千億円円(18・9%増)に引き下げた。
同日開いたオンライン説明会で内田誠社長は、販売台数の減少要因について競争環境の激化や能登半島地震の影響、紅海の物流混乱の3つを上げた。新経営計画の新車投入プランとの調整で販売見通しを精査したことも影響したという。
営業利益の下方修正は、部品メーカーを支援する費用負担の押し下げが600億円と大きく響く。
内田氏は「販売台数の減少は日産の責任だ」と述べるとともに、新経営計画の目標達成は「自社だけではできない。サプライヤーとともに成長するという視点で(取引先のコスト負担の軽減を)今回費用化した」と説明。3月に公正取引委員会から勧告を受けた下請法違反の問題とは「関係ない」とした。(池田昇)
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