中国銀行は岡山大学と共同で地域における脱炭素経営を支援する。2024年7月から25年2月までを事業期間とする。両者が先頭に立って脱炭素に取り組むきっかけをつくり、ソリューション提供やビジョン策定につなげる。

中国銀は温暖化ガス可視化ツールの提供や意識啓発などの働きかけをする。岡山大は生産から廃棄までに出る二酸化炭素(CO2)を示す「カーボンフットプリント」のワークショップを開く。環境省の「令和6年度地域ぐるみでの脱炭素経営支援体制構築モデル事業」に採択された。両者は旗振り役として企業に脱炭素に取り組むよう促す。

中国銀、岡山大、岡山県、環境省中国四国地方環境事務所が事務局を務める「地域脱炭素創生・岡山コンソーシアム」を中心に企業や支援機関の実態をヒアリングする。トマト銀行などの地域金融機関や経済団体も参加しており、企業との接点を生かす。課題を洗い出して支援メニューを整理し、不足するソリューションを埋めていく。

産学官金DX支援コミュニティー「DXサンライズおかやま(DXSUN)」とも連携する。脱炭素とデジタルトランスフォーメーション(DX)の両面で支援し、脱炭素の取り組みを企業の成長につなげる。

環境省が公表する自治体排出量カルテによると、岡山県の2021年度のCO2排出量に占める製造業の構成比は74%であり、全国平均の41%と比べて高い。中国銀は脱炭素対応の遅れが、企業がサプライチェーンから外されるリスクになるとする。重厚長大産業が経済を支える岡山県において、脱炭素の実現は喫緊の課題となっている。

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