日銀の追加利上げを受け、短期プライムレート(短プラ)を引き上げたメガバンクに地銀が追随している。横浜銀行が中核のコンコルディア・フィナンシャルグループ(FG)や福岡銀行を傘下に持つふくおかFGは5日、それぞれ0.15%引き上げると発表した。
短プラは信用力のある企業に適用する期間1年未満の短期貸し出しの最優遇貸出金利で、変動型の住宅ローン金利や融資金利の指標となる。
コンコルディアFGは、傘下の横浜銀行の短プラを1.85%から2%とし、東日本銀行や神奈川銀行も上げる。千葉銀行も1.85%から2%への引き上げを発表した。
しずおかFGの静岡銀行と、山梨中央銀行も1.975%から2.125%へ引き上げる。それぞれ9月2日から適用する。
九州でもふくおかFGが、福岡銀行など4行の引き上げを発表し、西日本フィナンシャルホールディングスも傘下2行の引き上げを公表した。福岡銀行と十八親和銀行、西日本シティ銀行はともに1.975%から2.125%に引き上げ、10月1日から適用する。
地銀では1日にりそなホールディングス傘下の関西みらい銀行とみなと銀行がそれぞれ2.55%から2.7%、1.8%から1.95%への引き上げを発表していた。
メガバンクなど都市銀行は、東京銀行間取引金利(TIBOR)など市場金利に連動した貸し出しが多い傾向にある。一方で地銀は中小企業融資で短プラを採用する比率が高く、平均的に3〜4割ほどが短プラに連動した貸出債権とみられる。
多くの地銀が0.15%の引き上げを検討しており横並びだ。ただ関東地銀の融資担当者は「指標金利としては引き上げるが、企業ごとに上乗せするスプレッドを削るなどして仕上がりの金利は0.15%の引き上げよりも小幅にとどめる可能性がある」と話す。
資材価格の高騰や人手不足が深刻化する中で、中小企業融資の多い地銀は都銀ほどスムーズに利上げできない事情が背景にある。
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