2024年度入社の新卒社員を採用する企業は45.3%だが、規模別で見ると大企業は76.2%にのぼるのに対し、小規模企業は23.7%にとどまり、新卒採用の二極化が進んでいることが、帝国データバンクの調査で分かった。

帝国データバンクによると、全国1046社に新卒採用について聞いたところ、採用ありは45.3%、採用なしは53.1%だった。

規模別に見ると大企業は76.2%と全体平均を大きく上回り、中小企業は40.9%、小規模企業は23.7%と、大企業との格差が大きい事がわかった。

中途採用しか行っていない企業が複数みられるほか、「2024年4月入社は募集したが、応募がなかったため、来年度を見据えて賃金の底上げを図った」(建設会社)との声もあり、新卒採用しようとしてもできなかった企業もある。

初任給については、「20~24万円」が 57.4%で最も多く、次いで「15~19万円」が 33.3%、「25~29万円」が7.2%、「15万円未満」が1.9%、「30万円以上」が0.2%だった。

新卒社員を採用するために初任給を引き上げるという企業もあったが、機械製造会社からは、「求人市況を考えると、初任給を含め、賃金の増額は必須と考えているが、仕入れ価格の高騰に対し販売価格がとても追いつかず、特に中小企業の経営は苦しい」との声が上がったという。また化学品製造業者からは、「大企業、メガバンクなどの初任給大幅アップが大々的に報道されているが、中小企業はとてもそのような金額は出せないため、格差の拡大を感じる」という声も出ている。

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