(ブルームバーグ): 米サイバーセキュリティー会社クラウドストライク・ホールディングスの株価下落に賭けた投資家は19日、多額の評価益を得た。ソフトウエア更新での不具合をきっかけに世界的規模のシステム障害が発生し、同社の株価は2022年11月以来最大の下げとなった。
S3パートナーズのデータによると、クラウドストライク株が19日に11%下落したことで、空売り筋には4億6100万ドル(約724億5000万円)の評価益が生じた。空売り筋の年初来の収支は赤字となっていたが、19日の急落により黒字に転換した。クラウドストライク株は22日も大きく下げており、空売り筋の評価益はさらに増えている。
S3のデータによれば、システムソフトウエア業界の合計空売り残高は、今年これまでに120億ドル近く増えている。
S3の予測分析担当マネジングディレクターは、19日付のリポートで「このセクターでは空売りが継続するだろうが、過去30日間に見られたように、空売りとショートカバーは特定の銘柄に集まるだろう」と分析した。
クラウドストライクをカバーする複数のアナリストは週末、同社の投資判断と目標株価を引き下げた。これがさらなる重しとなり、同社株は22日の市場で売られた。
ジョン・ディフッチ氏らグッゲンハイムのアナリストは、21日付のリポートで「クラウドストライク株を今すぐ買うべきだと投資家に伝えるのは困難だ」と記述。システム障害を受けて短期的に新しいディールを獲得するのが難しくなる可能性があるとし、投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた。
ディフッチ氏は、クラウドストライクの目標株価424ドルを取り下げた一方、「今回の出来事により、クラウドストライクは最終的にさらに強くなる」とし、「数年先を見通すことができれば、投資家は乗り切ることができるだろう」と記した。
原題:CrowdStrike Outage Nets Short Sellers $461 Million Windfall(抜粋)
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