19日付で就任した生命保険協会の永島英器会長(明治安田生命保険社長)は同日の会見で、一部の大型代理店への過大な利益供与の懸念が浮上していることについて「各社が商慣行を検証し、必要なら見直すことが大切だ」と述べた。必要であれば生保協としても対応を検討する考えを示した。
金融庁は大手代理店のFPパートナーと取引のある生保に対し、不適正な広告費を支払っていないか聞き取り調査を実施している。かねて保険業界では、過剰な販売促進策や代理店への利益供与が複数の商品を比べて説明する「比較推奨」をゆがめているとの批判があった。
永島氏は日本経済新聞の取材に対し「大型代理店に対する過大な利益供与があるのではないかという指摘は認識している」と話した。生保協は調査を希望した乗り合い代理店を調査し、基準を満たした代理店を認定代理店として公表している。永島氏は「生保側が過度に働きかけていないかという点も考える必要がある」と説明した。
生保協は外貨建て保険の販売体制の改善にも取り組む方針だ。外貨建て保険を巡っては、短期間での乗り換えが頻発している状態を金融庁が問題視。生保協も外貨建て保険に関する指針を改定した。全国銀行協会とも連携し、新指針を踏まえた各社の取り組みを支援していく方針だ。
永島氏は営業職員チャネルのコンプライアンス(法令遵守)体制の強化にも意欲を示した。営業職員チャネルでは、金銭詐取といった不祥事が発生している。生保協は各社の取り組みを共有するなどして、各社のコンプライアンス体制の改善を後押しする考えだ。
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