三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は19日、亀澤宏規社長らの月額報酬の30%を3カ月減らす社内処分を発表した。顧客情報を無断で共有していたことなどから、傘下の銀行と証券会社が6月に金融庁から業務改善命令を受けていた。退任済みの役員に求める報酬の返上を合わせ、対象者は計10人におよんだ。
顧客情報の共有を制限する「ファイアウオール規制」違反に加え、企業の社債発行に際して引受額を増やそうと貸出金の金利を優遇する行為が銀行に認められていない有価証券の勧誘行為にあたると金融庁に認定されていた。
三菱UFJは銀証間の情報共有を促してきた業績評価の見直しや、不正の検出へ人工知能(AI)の活用を盛り込んだ再発防止策をまとめて金融庁に提出した。役職員に対する研修の強化、法令違反の事案が発覚した際の罰則の強化なども盛り込んだ。
当時の頭取として顧客情報の共有に関する報告を受けていた三菱UFJFGの三毛兼承会長は月額報酬の30%を5カ月減額する。処分の対象には、顧客情報をグループの証券会社に無断で提供していた三菱HCキャピタルの久井大樹社長(当時は三菱UFJ銀行の専務執行役員)ら退任した役員4人も含む。いずれも返上の要請を了承しているという。
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