2025年大阪・関西万博に来場すると見込まれる訪日客には周辺地域へも足を伸ばしてもらい、にぎわいと消費につなげることが必要だ。そのためには、まずその地域を知ってもらうための特別なプロモーションが重要となる。
ただ、いろいろな課題も想定される。その一つがオーバーツーリズム(観光公害)だ。住民向けに計画された地域インフラの許容量を上回って、一度に訪日客らが押し寄せると、観光公害が叫ばれるようになり、地域住民の不満が強まる。
たとえば、宿泊施設やレストランなどで大量の水を使うようになれば、もともと住民用に整備された水道の容量では不足感が出てくるだろう。
地元関係者はそうした可能性をいち早く見極め、計画に落とし込む作業が必要だ。約350万人の訪日客が見込まれる万博よりも、「2030年に6千万人の訪日客を呼び込む」という政府目標を念頭に置いた方がいいだろう。
宿泊施設の人手不足も、賃金や休暇を全産業並みにするなどして解消し、持続可能な経営につなげることが重要だ。(聞き手 山口暢彦)
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