日銀が18日発表した7月の主要銀行貸出動向アンケートの結果によると、過去3カ月間の企業の資金需要の強さを示す判断指数(DI)はプラス6だった。4月調査(プラス4)から2ポイント拡大した。インバウンド(訪日客)需要などで好調な企業収益が企業の積極姿勢に影響しているようだ。

調査は四半期に1度、全国の銀行や信用金庫のうち貸出残高の上位50行庫を対象に実施する。今回の調査期間は6月11日から7月8日。DIは資金需要が「増加した」と答えた金融機関の割合から「減少した」と答えた割合を引くなどして算出する。2四半期連続で拡大し、2023年4月調査(プラス7)以来の高い水準となった。

大企業非製造業向けの資金需要判断DIはプラス8と、4月調査(プラス3)から5ポイント拡大した。一方で大企業製造業向けはプラス4で前回から横ばいだった。

インバウンド需要による売り上げの増加やデジタルトランスフォーメーション(DX)関連の設備投資が資金需要の増加につながったとみられる。日銀の6月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、大企業の非製造業は24年度の設備投資額を前年度比7.0%増やす計画だ。

規模別にみると、大企業向けの資金需要判断DIは前回から2ポイント拡大しプラス6、中堅企業向けは1ポイント拡大しプラス1だった。一方で中小企業向けのDIは1ポイント縮小してプラス1だった。

過去3カ月間の銀行の貸し出しスタンスを示すDIは大企業向けでプラス1と、4月調査(プラス1)から横ばいだった。同DIは大きいほど融資姿勢を積極化する金融機関が多い。今後3カ月の方針はプラス2と、1ポイント拡大する見通し。日銀は3月にマイナス金利の解除を決めたが、今のところ銀行の貸し出しの姿勢に大きな変化がみられていない。

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