日本商工会議所の小林健会頭=2月16日午前、首相官邸(春名中撮影)

日本商工会議所の小林健会頭は17日の記者会見で、外国為替市場の円相場が1ドル=155円に迫る円安水準になっていることについて「非常に困る。困る度合が日に日に高まっている」と苦言を呈した。その上で政府に対しては「今からでも遅くはない。他国との協調介入も含めて考えてもらいたい」と要望し、ドル独歩高に苦しむ国々と協力して円安修正の為替介入に踏み切るべきだと提案した。

産油国が集中する中東地域の混乱で原油価格が上昇しており、小林氏は「資源価格の上昇とドル相場がダブルで効いてくる。これは非常に困ったことだ」と指摘。最近は下火になってきた〝コストプッシュ型〟のインフレが「再燃する懸念が非常に強い」と懸念した。また、大企業と異なって輸出に頼れない中小企業は、円安による負の影響が大きいとの見方を示した。

ただ、マイナス金利政策の解除後も緩和的な金融環境を当面維持すると説明した日銀が、円安修正のため政策方針を急変させることは望ましくないと指摘。「政府一丸となって、ぜひ為替のことは宜しくお願いしたい。われわれも協力は惜しまない」と述べて政府に効果的な対応を求めた。(田辺裕晶)

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