弁済を受けた債権者の一部は利益確定のためビットコインを売るとみられている=ロイター

【ニューヨーク=竹内弘文】代表的な暗号資産(仮想通貨)、ビットコイン相場が米東部時間5日午前(日本時間同日夜)に一時、5万5000ドル(約880万円)を割り込んだ。6月24日に付けた直近高値から25%水準を切り下げた。2014年に破綻した日本の仮想通貨交換所マウントゴックスが債権者に一部弁済を実施。需給の緩みが意識された。

仮想通貨情報サイトの米コインデスクによるとビットコイン価格は5日午前0時すぎに一時5万3700ドルまで下落した。24時間前比で1割近く安い水準だ。その後、相場は緩やかに持ち直し、同11時時点では5万5700ドル近辺で推移ししている。

マウントゴックスの運営会社MTGOXの再生管財人は日本時間の5日、一部の債権者に対してビットコインとビットコインキャッシュの弁済を同日実施したと発表した。弁済したコイン数は明らかにしていない。マウントゴックスは14年、不正アクセスにより当時の相場で約480億円相当の仮想通貨を流出させ、同年2月に民事再生法の適用を申請した。

現在のビットコイン価格は14年当時の70倍程度に相当する。弁済を受けた債権者の一部がビットコインや同コインから派生したビットコインキャッシュを売却して利益を確定するとみられている。

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