(ブルームバーグ): 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用資産額が、ドル換算でノルウェーの年金基金を下回り、年金基金として世界最大の地位を失った。足元でドルに対して約38年ぶりの安値圏に沈む円安が影響し、資産価値が目減りした。

  GPIFが5日発表した2024年3月末時点での運用資産額は245兆9815億円。ドル換算では1兆5300億ドルとなる。これに対して、 ノルウェー政府年金基金グローバルの同時点での資産額は17兆7190億ノルウェークローネ(約1兆6770億ドル)。GPIFの1ー3月期(第4四半期)の運用収益はプラス9.5%の21兆3863億円と四半期ベースで最高となったが、ドル換算の資産額でノルウェー年金基金を下回った。

  GPIFの1-3月期の資産別の収益率は、国内債券がマイナス0.6%、外国債券がプラス5.4%、国内株式がプラス18.2%、外国株式がプラス15.8%だった。この結果、23年度の運用収益はプラス22.7%の45兆4153億円と3年ぶりに過去最高を更新した。

  GPIFは国内外の債券や株式に幅広く投資しており、運用成績は市場そのものの動きと重なる傾向が強い。1-3月の日本株市場では日経平均株価が史上最高値を更新し、運用収益を押し上げた。

  1ー3月期の世界の株式で構成されるMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは7.8%、S&P500指数は10%上昇、日経平均株価は21%上昇した。一方、10年物米国債利回りは32ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、同日本国債の利回りも約11bp上昇した。

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--取材協力:梅川崇.

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