【ニューヨーク=斉藤雄太】米金融大手モルガン・スタンレーが16日発表した2024年1〜3月期決算は純利益が前年同期比14%増の34億ドル(約5200億円)だった。株式や債券の引き受けが好調で投資銀行業務の手数料収入が伸びた。富裕層向け資産運用ビジネスも堅調だった。
1株当たり利益(EPS)は2.02ドルとQUICK・ファクトセット集計の市場予想(1.67ドル)を上回った。16日の米株式市場でモルガン・スタンレーの株価は一時、前日比で4%超上昇した。
事業会社の売上高に相当する純営業収益は前年同期比4%増の151億ドルだった。事業別では投資銀行とトレーディングを含む法人・機関投資家向け証券業務の収益が70億ドルと3%増えた。新規株式公開(IPO)や社債発行の増加など企業の活発な資金調達で株と債券の引受手数料が大幅に伸び、投資銀の収益は約2割増えた。
テッド・ピック最高経営責任者(CEO)は決算説明会で「企業や(投資ファンドなどの)金融スポンサーによるM&A(合併・買収)と引き受けの案件が勢いを増している」と述べた。投資銀ビジネスの一段の拡大に期待を示した。
富裕層向けの資産運用を手がけるウェルス・マネジメント業務の収益は68億ドルと5%増えた。運用資産の拡大に伴い、手数料収入が伸びた。年金基金や事業法人向けの資産運用業務の収益は13億ドルと7%増だった。
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