(ブルームバーグ): 米銀モルガン・スタンレーは中国の銀行セクターに対し強気な見方を強めている。中国の不動産不況と景気低迷による企業利益への影響について世界の投資家は悲観的過ぎるとしている。

  同行の中国金融担当チーフアナリスト、徐然氏によれば、ここ数カ月に当局が講じた措置は不動産市場を下支えしており、貸し手のリスクエクスポージャーを今後緩和し、最悪のシナリオを回避する見通し。

  不動産セクターや地方政府の資金調達事業体(LGFV)を巡るリスク低下は、足元で進む産業高度化を支えるコストにも対処できることを示唆しており、成長を下支えするという。 ​

  企業業績回復を期待する投資家はしびれを切らしつつあるものの、同行のほかUBSグループやゴールドマン・サックス・グループも、苦境にある不動産セクターに対する政府支援強化を背景に、中国株に一段と楽観的になっている。

  モルガン・スタンレーは今月、中国金融機関の目標株価を最大36%引き上げたが、その際には、現在の不動産販売状況が住宅ローン回復を十分に支え、利ざや拡大や資本負担軽減につながる見通しなどが考慮されたと徐氏は指摘した。

  ただ「銀行株にはまだそうした期待が反映されていない」と、北京でのインタビューで語った。

  徐氏らは6月4日のリポートで、中国の銀行に対する投資判断を「アトラクティブ」を維持し、目標株価を引き上げた。「配当金支払い前後の季節的な株価下落は、良い買い場となるはずだ」との見方を示した。

原題:Morgan Stanley Turns Bullish on Chinese Banks as Risks Subside (抜粋)

--取材協力:Alastair Marsh.

(最終段落を追加して更新します。更新前の記事で原題の英文記事を正しい記事に貼り替え訂正済みです)

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