株主総会の終了後、スルガ銀行の議事運営の姿勢に抗議しながら退場する株主(26日、静岡県沼津市)

スルガ銀行は26日、静岡県沼津市内で定時株主総会を開いた。7人の取締役の選任など会社提案の2議案を原案通りに可決した。投資用不動産の不正融資問題の債務者らが株主となり行った株主提案については全て否決された。

総会は午前10時に始まり、前年の2時間を超える2時間半ほどで終了した。スルガ銀は参加する株主に事前登録してもらい、抽選で席を割り当てた。同行は来場人数の把握や開場前の混雑緩和が目的とした。

投資用不動産の債務者で作る株主集団からは議決権の1%以上または300個以上の株式を6カ月前から継続保有する株主に与えられる提案権が行使された。5人の株主からは投資用不動産融資の全件調査など10議案が提案され、311人の株主集団からは口座名義人の自筆でない送金依頼書に基づく送金処理の禁止などの10議案が提出されたが、いずれも否決された。

50代の会社役員の男性によると、会場は壇上と株主の席が柵や生け垣で区切られており物々しい雰囲気だったという。男性は、参加株主の多くが債務者で占められ長時間にわたり不正融資問題の論争をしていたとして「早く解決し、我々一般株主が参加しやすい総会を作ってほしい」と注文をつけた。

総会後には投資用不動産の債務者らで作る「スルガ銀行不正融資被害者同盟」が会見を開いた。事務局長の五十嵐潤弁護士は「争点は絞られてきた。希望的観測にはなるが解決に向けた機運は高まっている」とした。

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