京阪神ビルディングは21日、大阪市内の会場で定時株主総会を開いた。取締役の選任など会社提案の2つの議案を可決した一方で、アクティビスト(物言う株主)のストラテジックキャピタル(東京・渋谷)が提案した議案は否決した。不動産の含み益を加味した修正PBR(株価純資産倍率)を現在の0.6倍程度から1倍以上に引き上げる計画案の策定などを求めていた。
株主総会は午前10時に開始し、同11時10分に閉会した。株主提案を提出したストラテジックキャピタルの丸木強代表も出席して「株価を上げるのが社長の使命だ」などと発言したという。京阪神ビルはオフィスビルやデータセンターなど賃貸不動産のテナント収入が売上高の多くを占めている。
丸木代表は「不動産を売却したうえで自社でREIT(不動産投資信託)をつくって運営するなど(資産を持たない)アセットライトな経営をしてほしい」と指摘する。
株主総会後に取材に応じた京阪神ビルの多田順一・常務執行役員は「アセットライトな経営を進めるわけではないが、今後は資産の回転率を高めて(不動産売却益で得られる)キャピタルゲインも増やしていきたい」と強調した。一方で不動産の開発や売却には時間がかかるとして「拙速に進めると大きなリスクを負って会社の屋台骨を揺るがしかねない」と反論する。
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