滋賀銀行は遺言信託の拡充に力を入れる(大津市の本店)

滋賀銀行は19日、滋賀県や県内8市町と「遺言信託を活用した遺贈寄付に関する協定」を締結した。遺産を相続人でない自治体や公的団体などに贈与する「遺贈寄付」を実施する場合、遺言書の作成が必要で、滋賀銀の「遺言信託」サービスを活用する。単身世帯は同県でも増加傾向で、相続人がいないケースなどでは遺贈寄付が増えるとの見方があり、これを支援する。

滋賀銀が協定を結んだ相手は県のほか、大津、長浜、守山、栗東、湖南、米原の6市と豊郷、甲良の2町。各自治体は、住民から遺贈寄付の意向を受けると同行に対応を依頼する。そこで提供する情報はプライバシーを含むため、枠組みを機能させる目的で協定を結んだ。一方、滋賀銀の顧客から遺贈寄付の相談があれば、同行はプライバシーに配慮したうえで自治体と連絡をとる。

滋賀銀は2020年、信託業務の兼営認可を取得。その後、遺言書の作成、管理、執行で手数料を得る遺言信託が信託業務の軸になった。同行の担当者によると、遺言信託の取り扱いは年150件前後で、このうち5〜10%で遺贈寄付の意思を示される。協定締結で自治体経由の遺言信託が増えれば、地域貢献にもなると滋賀銀は期待している。

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