宮崎銀行は13日、銀行の基幹業務である融資業務で生成AI(人工知能)の利用を始めたと発表した。地方銀行では先駆的な取り組みで、融資の承認を得るための「稟議(りんぎ)書」づくりに導入したところ、行員が手作業で作成した場合に比べて95%の時間短縮ができたという。
稟議書は融資案件に関する資金の使途や金利条件などをまとめた内容で、上司の決裁を受ける際の説明に使う。作成の下準備などを除き、担当者が手打ち入力で作った場合、通常は40分程度かかる。これに対し、生成AIを利用した場合は2〜3分程度で済み、95%の時間短縮につながったという。
同行では生成AIを銀行内の営業支援システムなどに蓄積されたデータと連携させ、融資の判断材料となる企業の事業内容や業績、返済余力などを読み込んで稟議書を作成する。具体的にはマイクロソフトの「Azure OpenAI」を利用して、同行専用のクラウド環境を構築しており、4月下旬から運用している。
今後は与信判断の支援などにもAI導入を進めていく。行内規程やマニュアルの検索、顧客からのFAQ(よくある質問)対応などでも実証試験を行っている。
宮崎銀行は「リアル店舗を持ったデジタルバンク」を掲げており、地域顧客との対面でのサービス提供に充てる時間を増やそうと、個人向けアプリやインターネットバンキングを通じて業務を効率化してきた。生成AIの活用もこうした取り組みの一環という。
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