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<半導体「モンスター企業」TSMCはなぜ熊本に進出したのか。日台トップ記者による対談動画の内容を一部紹介する>

今年2月の熊本工場(JASM)始動と第2工場の建設決定で注目され、「世界最強」とも言われる半導体ファウンドリー企業TSMC。

熊本進出の狙いについて、『TSMC 世界を動かすヒミツ』(邦訳、CCCメディアハウス)の著者で半導体取材の第一線で活躍する台湾人ジャーナリストの林宏文(リンホンウェン)氏と『2030 半導体の地政学 戦略物資を支配するのは誰か』(日経BP)著者で日本経済新聞編集委員の太田泰彦氏が語り合った。

司会はジャーナリスト・大東文化大学教授で『TSMC 世界を動かすヒミツ』の監修も手掛けた野嶋剛氏が務めた。

本記事では、本誌YouTubeチャンネルの動画「【日台半導体トップ記者対談】最強半導体企業TSMC熊本進出の本当の狙い!」の内容をダイジェスト的に紹介する。

※【対談動画】第1回はこちら:【独占】「思考はアメリカ人そのもの」...TSMCを世界的「モンスター企業」に導いた創業者モリス・チャンの「強烈な個性」とは?

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TSMCが日本で実現したいのは、トヨタと協力して車載半導体のシェアを高めることだと林氏は指摘する。

中国EVの台頭は全世界の自動車産業に影響を与えるが、トヨタの豊田会長も「EVが市場に占める割合は多くとも30%に留まり、それ以上は増えない」と述べたという。そんな中でトヨタが開発している新型自動車には半導体が必要。

TSMCはアップルやエヌビディアなどの企業を支えてきたようにトヨタの事業拡大を後押ししようとしており、ソニーについても同様だ。

太田氏は半導体産業が技術面での転換点にあることに着目。ナノ単位のサイズ競争が終わり、それを積み重ねたり並べたりする「チップレット」の技術競争が激化する今、優秀な中小素材メーカーを擁する日本にチャンスが訪れているという。

林氏もこれに同意し、台湾の製造業が世界一を目指すにあたって日本の設備や材料、化学が重要なサプライヤーになると話す。「台湾は日本の『養分』で成長した。TSMCが熊本に進出したのも日本にその実力があるのを知っているからだ」

また、TSMCはアリゾナと熊本への進出は「多分嫌だったと思う」と太田氏。「アメリカに誘致されたら断れない。補助金が出るならやってもいい。アメリカには顧客もたくさんいる」などTSMCの意図を推し量る。むしろ今は日本の工場の方が戦略的な意味を持っているように見えるという。


■より詳しい内容については動画をご覧ください。

【日台半導体トップ記者対談】最強半導体企業TSMC熊本進出の本当の狙い!

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