県内のバスや熊本電鉄で運賃の支払い方法が来年度から変わる見通しです。クレジットカード決済が使えるようになる一方で、『Suica』など全国交通系ICカードが利用できなくなります。

バスや熊本電鉄の運賃は、現金やくまモンのICカードのほか、2016年3月から
全国交通系ICカードでも支払いが可能となっています。

しかし、運賃の支払いに関する機器の契約が今年度末に満了となるため更新が必要で、同様の支払い方法を維持するためにはおよそ12億円の更新費用が必要となります。

熊本市によりますと、県内の交通事業者5社と県、市が協議した結果、更新費用を
半分のおよそ6億7000万円に抑え、クレジットカードとQRコードでの決済が可能な機器を導入することで合意したということです。

これにより『Suica』など全国交通系ICカードでの支払いができなくなります。
【全国交通系ICカードの利用者】
「困ります。Suicaがいいです。駅で買い物をするとポイントがあるので」
「大変ですね。別のカードを使います」

合意を受け、交通事業者5社は、県と市に導入費用の支援を求める要望書を提出しました。
【高田 晋共同経営推進室長(熊本都市バス社長)】
「一部、ご不便をかけることが最初のうちはあるかもしれないが、十分対応できるのではないかと考えている」
ことし12月中旬をめどに機器の入れ替えを始める方針で、来年度から新たな決済システムを導入するということです。
【大西市長】
「地域のユーザーの皆さんの利便性を削ってでも路線を維持する経費に充てないといけないというのはあってはならないこと。国にも支援を求めることも検討したい」

更新期間中は現金かくまモンのICカードでの支払いのみとなります。

全国交通系ICカードの決済システムを導入した後に取りやめるのは全国の公共交通機関で初めてとみられています。

熊本市は、更新費用の6分の1を助成する補正予算案を、6月4日に開会する市議会に提出する方針です。熊本市電についても再来年度から同様に支払い方法が変更される予定です。

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