最近は、「少しでも保険料を抑えたい!」という気持ちも働き、保険料の安いネット保険の加入者が増えています。しかし、知識もなくネット保険を契約すると、保険が保険でなくなることも。そこで、ネット保険を安心して契約するために、押さえておくべきポイントを確認していきます。

文:佐々木 亘/写真:AdobeStock(トップ画像=Panumas@AdobeStock)

■メリットだけでなくデメリットを理解しよう

ネット保険は手続きや見積もりが簡単にできる点がメリット。反面、対面での相談やサポートがなかったり、認識不足から必要な補償が受けられなかったりというのがデメリットだ(SOMPOP@AdobeStock)

 ネット保険のメリットは、通常よりも手続きが簡単で、オンライン上で簡単に見積もりや申し込みができる点です。また保険料が割安なのも魅力の一つ。

 一方で、良いことばかりではないのがネット保険です。顧客サポートがオンラインのみであり、対面での相談やサポートができないという不安や、契約内容や保険料に関する説明も不十分に感じます。

 特に、これまで代理店型保険に加入していた人が、安さを求めてネット保険に切り替える場合には、注意が必要です。補償内容や範囲を代理店に任せきりにしていた人は、必要な補償内容や範囲を、十分理解していないことも多いでしょう。

 認識不足から補償が不十分だったり、事故が起こってはじめて補償対象外だったことに気が付いたりすることも。結果として、保険が機能せず大きなトラブルに発展する恐れもあります。

 こうしたリスクを回避しながら、ネット保険を賢く選ぶ必要があるのです。

■保険のことを勉強してからネット保険へいざ加入!

まずは契約条件と補償内容を熟読して理解するのが第一歩。肝心なのは平時での便利さではなく、有事の際に頼れるかどうかだ(Joao@AdobeStock)

 ネット保険に加入する際は、契約条件と補償内容、そして窓口対応の3点について理解しておくことが必要です。

 まずは、契約条件から。「一番若い運転者は何歳か」、「運転者の範囲はどこまでなのか」、「車の使用頻度に変更はないか」の3点が重要なポイントです。特に、運転者範囲を指定しなかった場合の運転者年齢条件適用範囲は、プロでも間違うことがあります。

 運転者年齢条件の適用範囲は、主に運転する人(記名被保険者)とその配偶者、さらにその二人のどちらか(もしくは両方)と同居している親族と、いずれかの人と業務に従事する使用人です。

 別居の子や別居の親族・友人は、運転者年齢条件に関係なく補償されます。(ただし、運転者限定条件を設定している場合は、その設定範囲が補償範囲となる。)

 また、加入の際には補償内容をよく確認しましょう。対人補償や対物補償は無制限が当たり前ですし、補償の限度額や免責(保険会社が責任を逃れるケース)の範囲はどの程度なのかを、理解しておく必要があります。

 相手のモノ・人、自分の体、自分のクルマに対して、どの程度の補償が必要なのかを理解し、ニーズや予算に合ったプランを選ぶことが、ネット保険加入の最重要ポイントです。

 さらに、事故やトラブルが発生した際、ネット保険では大半のケースで電話対応のみとなります。現地や自宅に保険会社の人が来るということは、非常に稀なケースです。そのため、事故対応窓口の対応が迅速かつ丁寧かどうかも大切なところ。

 また、クルマを多く使う大型連休や年末年始などは、電話がつながりにくいことも。ネットの画面だけで判断できなければ、主な対応方法となる電話のやり取りを契約前に行ってみると、任せられる保険会社かどうかがわかるでしょう。

 ネット保険を利用する際は、これらのポイントをしっかりと押さえておく必要があります。契約後のトラブルで「知らなかった」では済まされないのが、自動車事故であり、保険契約です。自分に合ったプランを、自分で理解して選択する。これが、ネット保険と上手く付き合っていくためのコツです。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。