やれ自動運転だ、電動化だ!! なんて騒がれていて確かにクルマを取り巻く環境は様変わりした。だけど、ずっと昔から変わらないのがワイパーだ。超音波式やメルセデスベンツが1本式にしたりと、各社さまざま試すも、やっぱりアレに落ち着いてる印象。でも今や21世紀!! 現代技術をもってしてもやっぱりお馴染みのアレのままなの!?!?

文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部/アイキャッチ:klyaksun@Adobestock

■もはやドラえもんの世界!? 自動運転社会も現実になりつつあるのに……

メルセデス・ベンツはかつて1本ワイパーに。当時は拭く面積が広いとされていたが、今やメルセデスのすべてのモデルも2本に……

 クルマの技術は日進月歩で進化しており、危険な状況とクルマが判断したら自動でブレーキがかかり被害を軽減してくれる衝突被害軽減ブレーキはすでに標準装備が義務化されるほど。

 また未来の技術と思われていた自動運転に関しても、実用化に向けて着実に歩みを進めており、高速道路などではすでにハンズオフ運転が可能なクルーズコントロールを搭載した車両も販売されている。

 そんな目覚しい進化を続けるクルマにあって、基本設計が大きく変わっていないと言われているのがウインドウに付着した雨や雪、汚れを払拭してくれるワイパーである。

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■ええ、120年以上の歴史あんのかい!! やっぱ今のカタチが最適解

まさか最後のヴィッツも1本ワイパーだったとは……

 ワイパーの仕組みは至極単純で、ゴム製のブレードがウインドウを往復することで付着した雨などを払拭するというもの。このゴム製ブレードが確実にウインドウに接触するようにバネ式アームと組み合わせたワイパーの源流は1903年11月に特許が成立しているから、すでに120年以上基本的な仕組みは変わっていないことになる。

 ではウインドウに付着した雨などを除去するという技術はそこから一切進化していないのかといえば、そんなこともない。

 過去には風を使ったり、超音波振動を使ったり、コーティング剤で雨粒を付着しにくくしたりとさまざまな手法が考えられ、特許が出願されたこともあった。

 しかしどれも恒久的な効果が望めなかったり、雨には対応できるものの、汚れには無力だったり、コストがかかり過ぎたりと、ゴム製ブレードを用いた従来のワイパーを上回ることができなかったため、現在でも変わらずゴム製ブレードのタイプが使用され続けているというワケなのだ。

 つまり、ワイパーに関してはすでに120年以上前に正解が導き出されてしまっていたということも言え、進化していないワケではなく、すでに最適解が出ているということが言えるだろう。

 もちろんゴム製ブレードを用いたワイパーにおいても、基本的な仕組みは変わっていないとはいえ、より広い範囲を払拭できるようにワイパーアームの動きを最適化していたり、高速度で走行している際にも確実にブレードがウインドウに均一に当たるように考えられていたりなど、細かな部分では常にアップデートがなされていることも忘れてはならないポイントだ。

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