今回、北京モーターショーでホンダが市販車モデル2台、コンセプトモデル1台を展示したEVの新ブランド「イエ」。実は中国国内でこの一文字の漢字を巡って大問題になっているというのだが……。

文・写真:ベストカーWeb編集部渡邊龍生

■3台のモデルが出展されていたのだが……

ホンダ「イエシリーズ」は今後中国で2027年までに6車種の投入を予定している

 北京モーターショー開幕前の2024年4月16日に中国でホンダが発表していた「イエ」ブランド。すでに中国では発表会が開催されたのだが、今回改めて北京モーターショー会場にも華々しく出展されていた。

 実際、会場内に展示された3台は日本車メーカーのなかでは注目を集めていた。まず、コンセプトモデルのイエGTコンセプトは中国でのホンダEVの象徴となるモデルを目指して開発されたコンセプトモデル。

 GT(グランドツアラー)の名にふさわしいロー&ワイドなシルエットに合わせ、運転席はレーシングドライバーのように運転に没入できる空間としている。イエシリーズ第2弾モデルとして2025年内に発売される予定となっている。

 並行してイエシリーズ第1弾として発売される2台のSUVも出展。「イエP7」と「イエS7」は新開発のEV専用プラットフォームを採用し、1モーターによる後輪駆動モデルと、2モーターによる四輪駆動モデルを設定。両モデルとも発売は2024年以降となる見込みだ。

 ちなみにイエシリーズは今後中国で2027年までに6車種の投入を予定しているという。

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■何が問題になったのか?

イエという1文字は『火』に中華を現す『華』を組み合わせた漢字で、中国を燃やすといった意味に取られかねないというのが真相だ

 ホンダによれば、ブランド名となったイエは「明るく光り輝く」という意味を持つ。イエシリーズのクルマを運転するすべての人が操る楽しさを通じて心の内に秘めた想いを解放し、各々の個性を明るく輝かせてほしい、という想いが込められているとのこと。

 しかし、北京モーターショーが開幕してから改めてこの文字が主に中国国内のSNS上で大問題になっているというのだ。現地の中国メディア関係者は次のように明かす。

 「イエという1文字は『火』に中華を現す『華』を組み合わせた漢字です。つまり、中国を燃やすといった意味に取られかねません。それを糾弾する声がネット上から巻き起こり、あっという間に大炎上しました。以後、ホンダではあまりこの文字を積極的には表に出さなくなりました」

 しかし、北京モーターショーが始まる9日前の現地メディアに対して発表会を行っているほど、イエブランドには異例ともいえる力の入れ具合だったように思えたが……。

 「ホンダは現地に合弁企業の広州ホンダと東風ホンダを持っていますが、なぜこの文字を現地の中国人スタッフも抱えているホンダが出してしまったのか? 我々としても疑問を抱かざるを得ません。軽率でしたね」

 新ブランドの門出からつまずいてしまったホンダ。2027年度までに6車種の展開を予定しているイエの各モデルはどうなってしまうのか?

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