高速道路で大渋滞している時、左に車線の進みが速いと左へ、今度は右の車線が速いと右へと、むやみに車線変更した場合、車線変更しない場合と比べて、どっちが速いのだろうか?

文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock

■心理的に速く行こうとすると右側の追い越し車線に向かってしまう

 ゴールデンウィークといえば、高速道路渋滞。今年は、東京から行楽地へ向かう下りは、5月3日、4日に渋滞箇所が多くなると予測され、30km以上渋滞する可能性が高い。いっぽう、行楽地から東京方面に戻る上り線では、5月4~5日に渋滞回数が多くなる見込み。

■最大渋滞予測区間
稲城IC→相模湖IC(下り)、ピーク日時5月2日 午後10時、最大渋滞長:30km
中央道高井戸IC→相模湖IC(下り)、ピーク日時5月3日午前6時、最大渋滞長:45km
中央道大月IC→八王子IC(上り)、ピーク日時5月5日午後4時、最大渋滞長:30km
東名東京IC→秦野中井IC(下り)、ピーク日時5月3日午後6時、最大渋滞長:45km
東名大井松田IC→横浜町田IC(上り)、ピーク時日時5月5日午後3時、最大渋滞長:30km
東名日進IC→音羽蒲郡IC(上り)、ピーク時日時5月3日午前9時、最大渋滞長:30km
※新東名には30km以上の渋滞が予測される区間はない

 高速道路の渋滞中、追い越し車線、走行車線すべて渋滞していると、追い越し車線にいたクルマが走行車線、追い越し車線へ、左、右と行ったり来たりするクルマをよく見かける。

追越車線において渋滞が始まった瞬間、クルマは左へ左へと流れ、次々に渋滞は伝播していく

 なるべく早く前に進みたい気持ちはわかる。そんなに車線変更しても、疲れるだけだし、意味あるのか、と思っている人もいるだろう。

 渋滞は追い越し車線から始まる、とよく言われる。走行車線が混んでくると、速く走ろうというクルマが無意識のうちに追い越し車線に移動するため、結果的に走行車線よりも追い越し車線のほうがクルマの流れが悪くなることが多い。

■高速道路の渋滞時、追越車線が必ずしも早いとは言い切れない

関越道下り。3車線とも渋滞した状態ではどの車線を走っていても到着時間はさほど変わらないことが多い

 では渋滞中、どのように走れば、速く、ストレスなく進めるのか? もちろん、混雑状況によって変わってくるが、基本的には高速道路が渋滞している時ほど、追い越し車線の走行は避け、走行車線を走ったほうがいい。

 片側3車線以上の高速道路の場合、一番左側の車線を走るのが最も効率的とされている。これは前述したとおり、一番右側にある追い越し車線を目指して車線変更を繰り返すクルマが増えるためだ。

 車線変更を繰り返すクルマは渋滞を悪化させる諸悪の根源でもある。車両の流れが乱れて、走行速度にむらが出てしまい、時には後続車が急ブレーキをかけざるを得ない状況にもつながる。

 速度を一定に、車間距離が安定すれば、渋滞緩和につながる。気になるのは所要時間。自然渋滞時に頻繁に車線変更した場合と、車線変更しない場合とで比較した場合、所要時間はほとんど変わらない。

 東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)の渋滞対策実験からは、追越車線が必ずしも早いとは言い切れないという結果が得られている。

突然の事故や工事によって予期しない車線減少もある。いかんともしがたいが強引な車線変更はやめてほしい

 もちろん、ICやSA/PAなどからの合流がある場合は右車線を走ったほうがスムーズに走行できる。合流地点が予めわかっている場合は右側の車線を走り、合流を過ぎたところで左車線に戻るといいだろう。工事や事故による渋滞の場合には、規制されていない車線のほうが速く流れやすい。

 また無理な車線変更はあおり運転などの被害者になる原因にもなりかねないため、渋滞時は極力車線変更をしないほうがいいだろう。

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